TS200Rのエンジンオーバーホールとセッティングまとめ
レストア後、悲劇のエンジンブロー
みなさんこんにちは、代表の平下です。
実は去年の6月にTS200Rが小田原厚木道路でピストンが溶けてブローしてしまい、それ以来ずっと放置してました。
それを先月末からようやく修理に入り今月完成したので、ブローから復活までの様子をまとめました。
それは伊豆ツーリングからの帰宅中
2022年6月25日、急に伊豆半島に行きたくなったので午後から出発。
夕方に石廊崎まで行ってそこからトンボ帰りしました。
途中トラブルがあって伊豆スカで立ち往生するも、昔のバイク仲間の助けでなんとか復活して小田厚で帰宅していました。
すると伊勢原出口を過ぎた辺りから急にパワーダウンしはじめて、厚木西出口の手前で完全にストールしてしまいました。
なんとか惰性で降りる事が出来たので、その場で保険のロードサービスで自宅までレッカーしてもらい帰宅出来ました。
翌日ヘッドを開けると上の画像の状態でした・・・
シリンダーを外すとこの惨状・・・
シリンダーも逝って完全終了です。
とりあえずヤフオクに程度そこそこの中古シリンダーがあったので落札しましたが、肝心のピストンはオーバーサイズもSTDも廃盤。
アークティックキャットのZRT600という2ストトリプルのスノーモービルのピストンが0.5mmオーバーサイズでTSに使えるという情報があったので、ebayで注文したのですが発送連絡から2か月経っても届かず、問い合わせをすると一方的に「キャンセルしてくれ」との回答・・・。
ここで心が折れて1年以上放置していましたが、今年に入ってTKRJからSTDとオーバーサイズのピストンが発売されたとの事で、早速修理に取り掛かりました。
買う必要の無かったオーバーサイズ
0.25オーバーサイズを買いました。
そしてシリンダーのボーリングをどこに頼もうか探していたのですが、この時はヤフオクで中古シリンダーを買っていた事をすっかり忘れていました。
改めて中古シリンダーを確認するとボーリングされた形跡は無かったので、STDサイズのピストンを注文しなおしました。
オーバーサイズは予備としてストックしておきます。
ベアリングやオイルシールは廃盤がチラホラ・・・
今回は溶けたピストンがクランクケースに落ちているのは間違いないので、腰下まで完全オーバーホールする事にしました。
折角なのでミッション側のベアリング等も新品にしようと部品番号をウェビックに打ち込むと幾つか廃盤がありました。
09283-25089 はバランサーシャフトのオイルシールで、KOYOのものなのでジェイテクトに問い合わせをすると「以前スズキとヤマハに納入していた特殊サイズのシールで、現在は廃盤につき取り扱い無し」との回答でした。
そこでシールの刻印 MHSA 25 42 6XBT で検索するとRZ50のオーバーホールをされた方のサイトでヤマハの部番が 93102-25446 と判明し、見積もり依頼したところ在庫ありでした。
09262-20111 はカウンターシャフトのベアリングでこちらも幅寸法が特殊サイズで廃盤との事ですが、同じサイズのベアリングがCRF150等で使われていたのでホンダの部番 91004-MT3-003 で在庫あり。
09262-25066はNACHIのクランクベアリングですが、こちらはミスミのサイトで普通に注文出来ました。
Oリングはクランクケース合わせ面のウォーターラインのものですが、これは手持ちのOリングセットにあったもので代用。
ワッシャーはクラッチハブのロックワッシャーですが、これは再使用する事にしました。
サクサク組み上げます
一番の問題はヘッドガスケットで、TS200Rの初期モデルは1.2mm厚、それ以降は0.6mmのハイコンプ仕様ですがどちらも廃盤です。
海外ではまだ結構作っている所があるのですが、どこも1.2mmのものしか作っていません。
そこで実験も兼ねて手元の0.6mmのものを再使用する事にしました。
ただ再使用するわけではなく、黒いコーティングを全部剥がした上でパーマテックスのカッパースプレーでコーティングしました。
ガンマ系エンジンの最大の弱点の排気バルブ(通称:自爆装置)はメタルクリーンで徹底洗浄してから組みました。
汚かったですが固着やピンの変形は無く、洗浄したらピカピカになって動きも良くなりました。
ついにエンジン搭載!
ここまで来たらあっという間です。
一気にエンジンを載せてウォーターラインに各ワイヤーや電装系、吸排気系を組んでいきます。
放置している間に前後ブレーキの動きが悪くなっていたので事前に清掃して揉み出しを済ませておきました。
そしてついに・・・
約1年3か月振りにキック一発でエンジンが始動しました!感動!
バラして組みなおしたエンジンがかかる瞬間は格別です。
いざテスト走行へ
もうピストンを溶かさないようしっかりとセッティングを出すため連日ヤビツ峠に通いました。
その初日にKOSOのシーケンシャルウインカーが壊れてしまいました。
SMX50のフェンダーを付けるためにシートレールの後端をカットしているためテールの振動が大きく、恐らくそれが原因で壊れてしまったのかも・・・って事でエーモンステーでガッチリ固定してウインカーは同じのを買いなおしました。
5回目のテストで安全マージンをとってちょっと濃いめながらセッティングを決めました。
スロージェット:45番
ニードル:上から2段目
メインジェット:130番
そこで気付いたブローの本当の原因
実はピストンが溶けた時のセッティングはスローとニードルが同じで、メインジェットが128番でした。
130番で僅かに濃いめなので、128番で薄すぎるという事は無いはずです。
そうすると最後に思い当たるのはガソリン・・・
あの時使用していたのはレギュラーガソリンだったんです。
小田厚でスロットル全開の時にガソリンが原因でノッキングを起こしてピストンを溶かしてしまった可能性大です。
TS200Rはヘッドガスケット1.2mmのローコンプ仕様で圧縮比が6.6なので、0.6mmのハイコンプ仕様でもレギュラーでいけると思ってたんですがダメだったのかもしれません。
今後はハイオク専用にして、高速でも長時間の全開は控えるようにします。
ここ最近スズキの旧車パーツは廃盤が相次いでいるので、これ以上壊さないように大事に乗ります!
今後やりたい事
モタード化した事によってFブレーキを深く握りこんだ時のフィーリングや制動力そのものに不満があります。
なので320mmディスクとブレンボの4ポッドに交換を考えています。
あとやはり舗装路だとサスがフニャフニャで、減衰を最強にしても全然足りないぐらいです。
特に伸び側の減衰が気になるところで、S字の切り返しで伸びが早すぎてフロントがポンと跳ねてしまいます。
この辺は春日部市のテクニクスさんと相談していこうかなと思ってますが、とりあえず普通に走る分には問題無いのでゆっくりやっていきます。
またカスタムが進んだ時にはレポートしますのでお楽しみに!
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